豊胸シリコンバッグが破損・破裂しているかも?
豊胸バッグが破損しているかどうかは、豊胸バッグの中身が何かによって違います。
以前から販売されているものとして、シリコンジェル、生理食塩水、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、シリコンコヒーシブがあります。
シリコンは、販売時期により、シリコンの性状が異なります。
現在シリコンジェルは一切使われていません。
ここ15年以内に豊胸バッグを挿入した方は、シリコンコヒーシブです。
破損する前兆というのは、いずれの豊胸バッグでも予測がつきませんが、術後10年するとかなり劣化するので、強い圧迫や刺激があると容易に破損する可能性があるので、普段から注意すること必要です。
豊胸バッグの中身 シリコンの性状について
バッグの中身がシリコンであると破損してても吸収されるわけではないので、気が付かないことがほとんどです。
これは、シリコンジェル、コヒーシブと共通しています。
これをサイレント・ラプチャー(silent rupture)といいます。ジェルタイプのものとコヒーシブタイプがあり、若干特徴が違うので分けて述べていきます。
シリコン・コヒーシブ豊胸バッグ
破損する場合は、カプセル拘縮していることが多いので、たいてい胸が硬く、動きが悪いことが多いです。
そして、豊胸バッグが破損すると急に柔らかくなったり動きがよくなったりするのが特徴です。
シリコンは体内に吸収されるわけではないので、大きさのボリュームは変わらないとされますが、実際には破損して放置していると、ほぼ液状化していきます。
この場合は、破損した側がかなり腫れます。
シリコンバッグでも破損を放置すると、挿入時に寒天状だったシリコンも液状化します。
シリコンジェル豊胸バッグ
豊胸バッグが拘縮していると、コヒーシブバッグと同様に触った感触が固く、動きも悪くなりますが、それにも増して、見た目の変形が著しくなります。この1点が大きな特徴と言えます。
これは、ジェルタイプのシリコンのため、いくらでも拘縮が強くなりやすいためです。
生理食塩水豊胸バッグ
生理食塩水の豊胸バッグは、破損してすぐわかります。破損すると生理食塩水はすぐに吸収されるので、バストの左右差によりご本人でもすぐにわかります。
CMC豊胸バッグ
CMCの性状は寒天様で、コヒーシブみたいな感触です。ただし、体内に10年も入れていると液状化し、触った感じは生理食塩水と似てきます。
現在では、CMCは販売停止から約10年経ちますので、破損していなくてもバッグの中身はほとんどが液状化していると考えられます。
バッグが破損して液状化すると、コヒーシブ様な感触でなく、生理食塩水に似た感触になります。ご本人はほとんどその変化に気が付きません。
触った感じが生理食塩水に似ているとは言え、豊胸バッグが破損すると生理食塩水と同じようにすぐに吸収されたりしません。
これがなかなか厄介で、破損した側は、一時的に大きく腫れる傾向にあります。
これは、カルボキシルメチルセルロース(CMC)が、周囲の水分を引き込む特徴があるからです。そのため、豊胸バッグが破損すると、体内の水分を引き込み大きく腫れたようになってしまうのです。
これもたいてい一時的ですが、長期に及ぶこともあります。数か月すると、結果的には次第に吸収して破損した側が小さくなり胸の左右差を生じます。
被膜の破損の仕方
豊胸バッグという「異物」の周りには被膜ができます。
豊胸バッグの破損の仕方には2種類あります。
被膜内の破損
被膜の中で、豊胸バッグのみが破損している場合です。この場合、被膜の外へのシリコンの漏れはありません。
症状
今まで拘縮してバストが固くなっていたのに、急に柔らかくなったなどは破損を疑った方がよいでしょう。
この時点では、被膜外に漏れているかはわかりません。
原因
経年劣化による自然破損、圧迫などの機械的刺激による破損
確定診断
MRI検査でわかります。
手術は、ワキからも可能です。
被膜外の破損
豊胸バッグが破損し、かつ被膜も破れて被膜外に漏れている。
症状
被膜内での破損と症状は同じですが、しばらくすると、バスト周囲に皮膚を押すと何かぐにゅぐにゅしたものが触れるなどの症状があります。
確定診断
MRI検査になります。
手術は、MRI検査でどこにシリコンが広がっているかをまず評価します。
ほとんどのケースで、アンダーからのアプローチになります。
漏れた場所も摘出しないといけません。
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