豊胸シリコンバッグと線維筋痛症
線維筋痛症は，原因不明の全身の痛みを主症状とし，不眠，う つ病などの精神神経症状，過敏性腸症候群，逆流性食道炎，過活動性膀胱などの自律神経系の症状を伴う病気です。
近年，ドライアイ・ドライマウス，逆 流性食道炎などの粘膜系の障害が高い頻度で合併することがわかってきています。
痛みは，腱付着部や筋肉，関節などに及び四肢から身体全体に激しい痛みが広がり，この発症機序のひとつには下行性痛覚制御経路の障害があると考えられています。
線維筋痛症は長期にわたって持続し，回復が困難な慢性の難治性病態である。発症から1 〜 2 年は安定した状態で経過し，回復・軽快するとされていますが，それ以後の経過が必ずしもよくありません。
＜診断基準＞
１．広範囲にわたる痛み
広範囲とは、右左上半身、左右下半身、頚椎、前胸部、胸椎、腰椎
２．指を用いた触診により、18か所の圧痛店のうち、11か所以上に痛みを認める
広範囲な痛みが3か月以上続き、上記の両基準を満たす。他の疾患が存在していてもよい。
豊胸バッグを挿入している人の中に上記の症状に当てはまる人がたまにいますが、海外の文献などからは、豊胸バッグを入れている人に有意に発生頻度が高いということはないようです。
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