豊胸バッグの取り出す方法 | 豊胸バッグシリコントラブル

豊胸バッグを取り出す場所を決める

取り出す場所

ワキからとアンダーバストからでは、どちらが良いのでしょうか?というご質問も多いのですが、どちらが正解というのはありません。
キ ズに対しての考え方も人それぞれです。僕の方から強制的にこちらがいいということもありません。以下の説明、もしくはメールでのやりとりなどした上で、 ご自分で決めるのがよいでしょう。


方法は、2種類になります。乳輪からのアプローチもありますが、ほとんど要望がありませんので除外します。脇からのア プローチと乳房下縁(アンダーバスト)からのアプローチになります。(バッグ挿入時、乳輪から入れた方は同じ 場所でもできます)



どちらもメリット・デメリットがあります。
脇からの場合、傷は入れたときと同じ場所になります。一般的に、未婚者はこちらを望む傾向があります。


デメリットは、キズからバッグまでの距離が5〜10cmはあるのでそこを剥がしていかないといけません。バッグを取りだすためのトンネルをつくるというイメージです。
2回目の同じ場所ということもあり、出血、皮膚のひきつりを生じることがあります。治るのに時間がかかるひともいます。キズは、2回目だと少し目立つ傾向にあります。


一方、乳房下縁を切る場合には、傷が正面からわかるというデメリットがあります。ただ、ほとんどの方が目立たなくなります。キズの治りが悪い方は、できるだけ避けた方がいいかもしれません。


また、アンダーバストで生理食塩水の場合は、傷は2cm以下で抑えられます。シリコンだと3cmぐらいです。余計に剥がしたりすることがないので、出血、ひきつりに関してはまず問題ないです。


術後の痛みに関しても、日常には問題はないでしょう。小さいお子さんがいても、抱っこもできます。この方法が術後のリスクは一番少なく短時間に終わることができます。

豊胸バッグをどこから取るのがベストか?

上記に書いたようにどこから取るかに正解はありません。
ただ、ご本人はワキから取りたいのに、大学病院、民間病院だとほぼ乳房下縁(アンダーバスト)からしか取り出せないようなことを一方的に言われることが多いようです。


技術的な問題、医者側が簡単に済ませたいなどの理由があるのでしょう。特段の事情がなく、ご希望があれば破損していない限りワキから行えます。アンダーからしかできないと言われた方もご相談ください。

 

豊胸バッグを取り出す場所は?

以前よりワキで行っているひとは、ワキからした方がいいとアドバイスしていますが、その人の仕事、たとえば、エアロビのイン ストラクター、エステシャン、音楽で楽器を持った時にワキを露出することがある人は、必ずしもワキからを望まないひともいます。


そのため、現在では、「取りたい」→「はい、取りましょう!」と画一的にでな く、現在の生活背景まで伺っています。(なんで生活背景や結婚の有無などを聞くの?と思われるかもしれませんがそういう理由もあります)

 

ワキから豊胸バッグを取るのがいいひと

・未婚の方
やはり彼氏、旦那などにキズが乳房の見える範囲にない方がいいのでは?という男性の視点からの意見です。既婚者はあまり気にしない方が多い気がします。


・新たなキズは作りたくない人
現在のワキのキズが多少目立っても、アンダーバストに新たなキズを作るのは抵抗があるようです。


<アンダーバストから取るひと>
・バッグが破損している方で、特にバッグ中身が漏れている場合
(場合によりワキからでもできますが、診察・検査次第で決めます)
・既婚だし、だれに見せるわけでもないという場合
・キズを気にしない人
・絶対術後のリスクは最小限で抑えたい。
・小さいお子さんがいて早くに帰れて、日常生活に支障があると困るという方。
(と言ってもワキから取り出す場合でも日常生活に支障をきたす方はあまりいません)
・仕事柄ワキを見られることがある。(上記に記載)

 

豊胸バッグを取り出すキズについて

ワキ;基本的に以前と同じ場所です。ただし、目立つ場所のキズは少し考えます。


アンダーバスト;300tぐらいまでの大きさのものまで3cmぐらいで収まります。
・豊胸時の術後しばらくワキが引きつって苦痛だったひと。何回も同じ場所を行うと引きつる可能性はより高くなります。

 

豊胸バッグの周りにできた被膜について

豊胸バッグの被膜は、わかりやすくいうと異物を包み込もうとした結果にできる袋と考えてみてください。


この被膜自体を残して悪いということはなく、被膜自体は瘢痕組織と同じです。(けがをしたとき、キズを縫ったときにできる少し硬いもの)皮膚が薄く、その被膜が通常より厚くなっている場合、バッグを摘出した後でもまれに触れる方がいます。


長期に見れば、周りの組織に馴染んでいきますので、ほとんどわからなくなります。
今後のなにかの検査で引っかかるということもありません。


乳がん検診では、一般的に触診、超音波、マンモグラフィーを行いますがこれらの検査でも被膜は同定できませんので、気兼ねなく検査できます。また、精密検査 などでは、MRIを行うこともありますが、この件でも被膜が写ることはありません。なお、胸部レントゲンでも写りません。


そ れでも被膜を取り出したいという方は、ワキからはできませんので、アンダーバストからのアプローチになります。取り出すときのキズは、通常の摘出に比べキズは長くなります。術後出血の頻度も高くなります。


出血する可能性がかなり高いので、ドレーンという血を排出するチューブを挿入します。このように、出血するリスクがある上に、お金も余分にかかってしまうためメリットはまったくないと言っていい手術です。

 

 

 

 

 

 

豊胸バッグの種類についての各々の対処法

豊胸バッグの種類についての各々の対処法

豊胸バッグの破損などがなければ、どのバッグでも問題はありません。


ただし、自分が気付かない破損が稀にありますので、できるなら摘出前に破損の有無を 調べることをお勧めします。なぜなら、破損している場合には乳房下縁に内容物が溜まる傾向にあり、頻度は少ないのですがその内容物が漏出し、かつ、独立して被膜を形成し ている場合があるからです(触診上の診断に限界があります)。


特にワキから行う場合には内容物を完全に取りきれないことがあるからです。万が一、そのような場合は、時期を改めて下縁から取り除くことになります。このようなことがないように術前検査をお勧めしています。

 

豊胸生理食塩水バッグ

破損していても身体に特に問題はありませんが、破損して数か月放置していた場合にはワキから行うことが難しくなります。破損した場合、バストが急にしぼみます。
個人差はあるのですが、生理食塩水のバッグの方は、バッグの周りに石灰化を起こしている方が多いです。


取りだしてみて、石灰化があるようであれば、通常より十分に洗浄します。それでも完全には取れませんが、異物であるバッグを取りだすと次第に吸収する場合が多いです。


取りだした後に、乳がん検診で石灰化を指摘されることがありますが、乳がんの石灰化とは区別がつきますのであまり心配がないことがほとんどです。
豊胸バッグの石灰化とは?豊胸バッグである異物に対しての、からだの防御反応の1つです。癌でも石灰化を起こすことがありますが、それとは区別ができます。検診で指摘され、心配な場合は、乳腺外科で1度検診を受けるとよいと思います。

 

豊胸シリコンジェルバッグ

10年以上前に入れた方が対象になります。被膜内での破損はワキからできますが、被膜外に漏れている場合にはアンダーバストからの摘出になります。

 

コヒーシブタイプ

シリコンジェルに準じます。
※いずれの場合もバッグを取りだした後には、生理食塩水で中を十分に洗浄します。

 

豊胸バイオセルバッグ

コヒーシブタイプの一種で、国内にて通称名バイオセル(Mcghan社製、現在この会社はありません)というバッグがあります。他のシリコンバッグより若干取り出ししにくく、ワキから取りにくいのでアンダーからでないとできないと言われることが多いバッグです。


豊胸バッグと被膜が通常よりべったりくっついているため です。当院では、よっぽどのことがない限りワキから行いますが、バッグと被膜を剥がす操作が加わるため、術後少し痛いかもしれません。

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